世界が完璧に

かつて恋人といるとき、時々世界が完璧に見えることがあった。その感覚はいつも一瞬で消え去ってしまったけど、それこそわたしがずっと探していたものだったので、

この人と結婚すれば世界は完璧になると思った。

恋人が夫になったのち、どういうわけか完璧な世界は姿をみせなくなった。

満腹なのに、甘味が欲しくなるように、満ち足りていて、でもまだ何か足りない。