すべて存在するものは
よきものであるとはトマスアクイナスの言葉らしいが、わたしは小さな頃から自分の存在が不安だった わたしはここにいていいのか わたしは正しい行動をしているか
この大きな不安はずっとわたしのそばにいて、成長過程で形を変えながらわたしを占拠した
小学生のころはクラス替えのたびに仲良しのこができるか
中学生のころは第一志望の高校に受かれるか
高校生のころは第一志望の大学に受かれるか
大学生のころは資格試験に合格できるか
20代のころは私を愛して結婚してくれる人がこの世にいるのか
30代にはいったいま はたして子供はわたしのもとにやってきてくれるのか 子供が産まれたとしてきちんと育てられるか
これらの不安をごまかすために神頼みをし、カウンセリングをうけ、お守りを買い、留学をし、ヨガをならい、できることはなんでもやった
あぁでもそいつはいつでもいる
わたしはここにいていいのか
わたしはただしいのか
すべて存在するものはよきものである
すべて存在するものはよきものである