神聖な義務

ヘルメル いやはや、あきれはてた。それではお前の最も神聖な義務を怠ることになるぞ。

ノラ じゃあ、あなたは何があたしの一番神聖な義務だと思っていらっしゃいますの?

ヘルメル それを言って聞かさねばならんのか!お前の夫に対する、子供たちに対する義務でなくってなんだ?

ノラ あたしには、ほかにも同じように神聖な義務があります。

ヘルメル そんなものがあるものか。いったいなんだというんだ?

ノラ あたし自身に対する義務です。

(イプセン「人形の家」新潮文庫)

 

 

しびれた。